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私の腰痛日記 1
2024.09.07
目次
■腰痛治療の現状
現在、日本人の約2800万人が腰痛に苦しんでおり、しかもその大半は原因がはっきりしていません。
一説では8割が原因不明(見えない腰痛)と言われています。
レントゲンなどの画像診断で異常が無くても患者さんが痛みを感じることもあれば、異常があっても痛まない場合もある。
このため、レントゲンやCT、MRIを撮影しても原因が分からないことが多く、日本整形外科学会と日本腰痛学会は2012年にまとめた腰痛治療の診療指針にて「全例への画像撮影は必ずしも必要でない」としました。
つまり、腰痛のメカニズムは現代医学においていまだ完全には解明されておらず、その為、明確な治療方針も立ちえないというのが腰痛治療の現状なのです。
病院に行ってもまずは「安静にしてください、様子を見ましょう」と言われることが多く、痛みの根本原因にググッと迫るような説明や治療法は提案されないことがほとんどではないでしょうか?
病院勤務時代、私がある整形ドクターと飲みの場でオフレコ話をしたところ、そのドクターは「もし自分が腰痛で手術しなければならなくなったとしても、自分は絶対に手術を断る」と言っていました。
そのドクター曰く、腰痛手術は基本、『治すための手術』ではなく、これ以上悪くしない為の手術、現状維持の為の手術で、そうせざるを得ない(膀胱直腸障害などの出現)状態まで悪化したケースにのみ適応されるとのことでした。
しかし、患者さんは手術さえすれば治ると思い手術に踏み切り、泣く人、笑う人がでるというのが現状なのです。
■私の腰痛日記ー腰痛克服への道のりー
腰痛…。
私自身が長年、腰痛に苦しみました。
だから腰痛に対しては特別に深い思い入れがあります。
最初に私がギックリ腰になったのは小学校5年生の時。
体育館で友達が寝ていて、それを飛び越えようとして、着地した瞬間、ギクッとなって動けなくなったことを覚えています。
私の家族は父、姉ともにぎっくり腰持ちで、骨格的に腰痛になりやすいのかと思っていました。年に数回ギックリ腰で動けなくなる人間が、家族の中からローテーションで出てくる、そんな腰痛一家でした。
私自身、中学、高校、大学とギックリ腰を繰り返し、理学療法士になっても腰痛は時々発症していました。
理学療法士になって新人の頃は自分の身を顧みず、兎にも角にも患者さんを良くしようと必死で働いていました。
するとある日、いつものギックリ腰になったのですが、その時のぎっくり腰はいつものと少し様子が違いました。
通常4日間、長くても1週間、コルセットや湿布で復活できていたのですが、その時は一向に良くならず、症状は悪化する一方…。
総合病院に勤務していたので、そこの整形ドクターに診察してもらったところ、「ヘルニアっ気があるけど、大したことないよ」と言われただけ。
殿下の宝刀「様子見」を言い渡されたのです。
お医者さんが大したことないって言うのだから、無理せず時間がたてば何とかなるのかなと思いきや、症状はどんどん酷くなり、しまいには病院(職場)まで杖をついて出勤するまでになってしまいました。
その時の私は30歳。
何とも情けない状態でした。
そんな状態が半年間続き、腰をかばいながら痛みを誤魔化し、誤魔化し働き続けていましたが、それも限界になり、足にも痺れが出現。
「このままじゃダメだ。一度、治療に専念しなければ一生働けなくなる」と思い、職場を退職したのです。
自分も理学療法士の端くれ…。
自分の腰痛は自分で治そうと、今まで学んできたリハビリテーションの知識で自分に対しリハビリプログラムを立案。
毎朝、フィットネスジムに通い運動療法を開始したのです。
ちなみに私は学生時代、鬼のように医学を勉強していたので理学療法の知識量は人一倍あり、お勉強レベルでは誰にも負けない自信がありました。
ですから、自分の知りうる限りのリハビリプログラムで治ると信じ、自身を治療したのですが、やればやる程、腰痛が悪化…。
「何が悪いんだ?俺の学んできたことは何なんだ?理学療法ってなんだ??全然治せないじゃないか!!」と絶望的な気分になりました。
その頃から、自分の治療の何が良くて何が悪かったのか分かるように詳細な記録を取り、どの運動やストレッチを行うと、どんな反応が自分の体に起きたのか記録をつけるようになりました。
名付けて「腰痛日記」。
そこには腰痛の苦しみと、治るか分からない将来への不安を抱えて過ごした日々の思いが綴ってあります。
私は自分の体を使い、ありとあらゆる治療を自分に施し、それを記録し、検証し続け、いつか必ずこの腰痛を克服し、それを患者さんに還元してみせると理学療法士としての意地で悲壮感漂う決意をしたのです。
今まで必死に学んだ理学療法学は結果が出なかった以上、勇気を持って一回忘れ(離れ)、もう一度ゼロからやり直し、運動学・解剖学に基づいた基本的な治療をやろうと。
偉い先生の論じる高尚な理論や治療法ではなく、実践が全ての、結果が全てのやり方(治るんだったらなんだって良い)を追求しようと。
そこからが私の腰痛との手探りで、なりふり構わない、本当の戦いが始まったのでした。⇒私の腰痛日記2へ
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