始めは肩に違和感があって、その内、徐々に痛みが増して眠れなくなった….
痛いのを放っておいたら、次第に肩が固まって日常生活に支障が出ている….
前述した“四十肩に良く似た別の疾患”じゃない『本当の四十肩』を発症しても、皆さん、軽い痛みが出ている程度の時は、「放っておけば治るだろう」と様子を見てしまうようですが、この初期の状態時にiSing治療を行えれば、酷い四十肩に移行せずに終息できる場合が多くあるんですよ。
でも実際にはどうしようもなくなってから整形外科を受診し、レントゲンを撮り、「骨には異常ありません。四十肩でしょう。痛み止めを出しますので様子を見ましょう」という流れになるようです。
でも消炎鎮痛の注射や電気治療、軽いリハビリをしても全然よくならず途方に暮れて、1年位経ってから当院を知って受診される方がほとんど。
そのような難治例の四十肩を診ると『治療が上手くいかなかったのは病期診断をミスしていたからじゃないか』と感じることが良くあるのです。
■四十肩には3段階の時期があり、それぞれで治療方針が異なります
四十肩は英語でFrozen shoulder(凍結肩)と言って、まるで肩が凍りつくようにいったんは固まるのが特徴です。ですから固まる経過をたどらずに治ることは決してありません。
でもそれを知らず、「肩が固まるのが恐い」といって固まらせるべき時期に肩を動かし続けているといつまでたっても治りません。
例えば転んで膝を擦りむいたとしましょう。傷口が出血し、治る過程で瘡蓋(かさぶた)が出来ますよね?
それを「固まるのが嫌だ」と瘡蓋を剥がすように膝を動かし続けていたら傷口はグチュグチュしたままいつまでも塞がりません。それと同じなんです。
四十肩の第一段階:炎症期は患部の固定と安静が治療の基本指針となります。
目的は安静にすることで炎症を抑えることと、関節拘縮を完成させることです。
この時期に『しっかりと関節が固まるのを待ち、焦って動かさないでいられるのか』が重要なポイント。
※『夜間痛がつらい…』四十肩炎症期の過ごし方【注意点と鉄則】はコチラ
一方、第二段階の凍結期は固まった関節をどんどん動かしていくべき時期で、炎症期とは真逆の治療を行っていきます。
この炎症期と凍結期の境目にあたる炎症後期(別名:不完全な凍結期)と『本当の凍結期』との病期判定が難しく、知識と経験が浅い治療者だと、まだ炎症期で関節を動かちゃいけない時期なのに、凍結期と誤診して肩を動かす治療を始めてしまいやすいのです。
炎症後期に関節を動かす治療を行うと炎症が治まらず、夜間痛が無駄に長引いてしまいます(せっかく治りかけた瘡蓋が、またはがれる様なもの)。
炎症期から凍結期への病期判断を誤り、動かしてはいけない時期に動かしているといつまでたっても夜間痛は消えません。
逆に動かすべき時期である凍結期にしっかり動かさないと肩関節は可動域制限を残したまま治ってしまいます。
ですから正しい病期診断ができることが重要なのです。
■四十肩で肩が固まるのは筋膜の癒着が原因です
炎症期を経て、凍結期へ移行すると肩関節は関節拘縮を起こし、固まっているはずです。
そのためバンザイや背中を触るといった動作が出来ず、服や下着の着脱に難儀することでしょう。
皆さん、「肩を動かすと、何とも言えない骨にひびく様な痛みが辛い」と訴えます。
関節拘縮とは炎症により肩の筋肉を包む『筋膜』や関節包が癒着を起こし、関節が動かせなくなった状態です。
本来、筋膜は表面がなめらかなコラーゲン組織で柔軟性に富み、隣り合う筋肉の動きをスムーズにする働きがあります。
ところが、四十肩により組織に炎症が生じると、筋膜同士が癒着して、動作時の痛みを引き起こすのです。
■癒着した筋膜をどうやって治すのか?
癒着を起こしたコラーゲン組織(筋膜)は慢性的緊張によって固くゲル化しています。
これに対し指や肘を使って持続的圧を加えていくと、圧電現象により固まったコラーゲン組織は流動性のゾル状態となり、元の正常な状態に戻って癒着が解消するのです。
このように硬くなった筋膜の癒着を解消するのに最も効果的な方法、それが筋硬結リリーステクニック【iSing:アイジング】です。
多くの患者様がiSingによってその場で劇的に痛みが改善します。