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『いつまで注射を続ける?』ヒアルロン酸注射では【治せない膝痛の特徴】
2024.09.06
目次
“皆が打っているんだからヒアルロン酸注射は膝に悪くない”と盲目的に注射を受け続けている方はいませんか?
実はヒアルロン酸注射の打ちすぎは決して膝に良くないんです。
もちろんヒアルロン酸の成分が人体に悪影響を及ぼすことはなく、そういう意味での心配は一切ありませんが、注射を打ちすぎると逆に膝痛が悪化し、治療が長引くケースがあるのです。
■なぜ注射の打ちすぎが良くないのか?
注射を打つという事は、鋭利な注射針によって皮膚や筋肉などの組織が傷つきますよね。その証拠に注射すれば小さく出血するはずです。
出血するということは、注射を打つたびに小さな怪我をしていることと同じなのです。
「注射した後、2日間くらいは膝が痛い」なんて方は注射による怪我が影響しているのかもしれません。
そしてこの怪我が繰り返し繰り返し同じような場所に生じると、その傷ついた組織が新たな痛みの発生原因(筋硬結:トリガーポイント)となってしまうことが多々あるのです。
筋肉内にできた筋硬結(トリガーポイント)による 疼痛を主症状とする症候群を筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)といい、筋硬結は侵害受容器(痛みを感じるセンサー)が発痛物質によって刺激され過敏になっている状態のために、『膝を曲伸ばしする』といった少しの刺激でも痛みを感じるようになります。
※注射針によってできた硬結は深刻化することが多く、実際に注射針が入った場所を触ると米粒大の硬結が触知可能です。
■頻回に注射を打つとなる【筋短縮症(筋拘縮症)】
ヒアルロン酸注射は関節内注射ですが、頻回な筋肉注射が原因で起こる有名な病態があります。
それが筋短縮症(筋拘縮症)です。
筋短縮症
筋短縮症とは、筋肉注射による物理的な刺激、あるいは注射液による刺激が原因となって筋肉組織が破壊され線維化し、運動機能に障害が生じた症状。
大腿四頭筋が障害された大腿四頭筋拘縮症が有名であるが、その他、注射を受けた部位によって、三角筋短縮症、上腕三頭筋短縮症、殿筋短縮症等の種類がある。
以前は筋短縮症という名称が広く使われていたが、筋肉だけではなく、関連する関節にまでも機能障害が生じているという意味で、筋拘縮症とも呼ばれるようになった。
またそれ以前は、多発した地域の名を取って、泉田病や今立病と呼ばれたこともある。【症状】
障害された筋肉の箇所にしこりや、外見的な陥没が見られる。
また、部位に応じて様々な運動障害が見られる。大腿四頭筋拘縮症の場合、大腿直筋が障害された直筋型と、中間広筋あるいは外側広筋が障害された広筋型、その両方が障害された混合型があり、それぞれに異なる症状を来す。
【社会問題】
抗生物質や解熱剤、栄養剤などを必要以上に注射したことが原因であるとし、注意を喚起しなかった国や製薬会社を相手取って、1973年以来提訴が相次いだ[1]。引用:ウィキペディア(筋短縮症)
大腿四頭筋拘縮症は1946年にすでに報告があります。
当時は先天的なものと考えられていましたが70年代に入って各地で多発し社会問題となったため、日本医師会は1974年に検討委員会を設け、その原因を追求。発症原因は先天的なものと当該部位への皮下・筋肉注射によるものとがあることを明らかにしました。
このように注射による弊害は昔から存在します。
1度や2度、注射を打ってどうこうなることは無いと思いますが、関節内注射であろうと筋肉注射であろうと、組織を傷つけることに変わりはなく、何度も同じ部位に注射を打つことにはリスクが伴うのです。
注射針によって破壊された組織が線維化を起こし、硬くなってしまうと筋拘縮症とまではいかなくとも筋硬結を生み出すことは良くあることなのですが、組織の線維化や筋硬結はレントゲンやMRI画像には映りませんので、全てのお医者さんがこれを認識しているのかは分からないのです。
■膝痛患者のほとんどが皆、医者から同じことを言われている
当院に来院される患者様のほとんどが整形外科に長年通っても効果の出なかった難治例です。
そして、皆さん十中八九、お医者さんから同じような話をされているようです。
『膝が加齢に伴い軟骨が擦り減って痛いのだから、ヒアルロン酸注射してダメなら手術しかないよ』
『足の筋肉が弱いから痛いのです。体重を減らすためにも歩いて足腰を鍛えて治してください。ダメなら手術しかないよ』などです。
老化と言われたら元も子もないし、「歩け。鍛えろ」と言われても膝が痛いのでそれができません。そんなジレンマを抱えた患者様が数多くいらっしゃいます。
皆、『擦り減った軟骨が膝痛の原因なんだ』とお医者さんから頭にインプットされ、「膝を動かすと骨が壊れるんじゃないか?」と歩くこと、膝を曲げ伸ばしすることに極度の恐怖感を抱く傾向があります(ちなみに曲げ伸ばししないことも膝痛を長引かせている一要因なのです)。
そして私の感覚では、“どう考えても手術するほどではない膝の状態”の患者様にさえ手術の話が割と簡単にされている気がするのです。確かに病院で白衣を着た権威者にレントゲンを見せられながら手術の話をされたら誰でも心が動揺しますよね。
私はそんな患者様がうちに来院された時は、まず落ち着いて患者様に諦める必要はないことを説明し、口先だけでなく、実際の治療結果で痛みが無くなることを“その場”で証明します。
そして実際に治療で痛みが取れて初めて軟骨が原因でなかったことに気づくのです。
■ヒアルロン酸注射で痛みが取れない本当の理由
膝関節は『関節内』と『関節外』の2つに構造が分かれており、関節包で覆われる『関節内』は5㏄程度の関節液で満たされており、『関節外』には筋肉や靱帯があります。
そして膝痛の原因も関節の中で起こる『関節内痛』と関節の外で起こる『関節外痛』の2種類に分かれます。
『関節内痛』は擦り減った軟骨により関節内が炎症して起こる関節の内側の痛みで、『関節外痛』は関節の外側の組織(筋肉・靱帯など)へのダメージが原因で起こる関節の外側の痛みで、筋筋膜性疼痛と言います。
この『関節内痛』には、ヒアルロン酸注射が炎症を抑える働きがあるため、ある程度有効ですが、通常、膝痛は『関節内痛』『関節外痛』の両方を併発しているため、『関節内痛』の治療だけでは痛みは消えません。
全ての痛みを取るには『関節外痛』への治療が必要となります。
しかしお医者さんがメインで注目しているのは関節内の状態であるので、関節液を抜いて状態を診たり、レントゲンで関節内の軟骨の状態を診てはくれても、関節外痛は診落とし治療されない場合がほとんどなのです。
そもそも一番問題なのは 関節外痛である筋筋膜性疼痛がまだ整形外科医をはじめ一般臨床医に広く認知されていない点です(一部のお医者様は筋筋膜性疼痛を専門的に治療されている方もいらっしゃいます)。
そのため患者さんから「注射してもまだ痛みが消えない」という訴えがあると、それが『関節外痛』であるにもかかわらず、多くのお医者さんは『関節内痛』の治療法であるヒアルロン酸注射を無駄に打ち続けてしまい、結果、頻回な患部への注射により組織を傷つけ、そこに新たな膝痛の原因を作り出してしまうのです。
これがヒアルロン酸注射を打ち続けても痛みが消えない本当の理由なのです。
※ヒアルロン酸注射の効果についてさらに詳しく知りたい方はコチラ⇒意外と知らない!?ヒアルロン酸注射の効果と狙いについて
■正しい治療ならば手術が必要といわれた高齢者でさえ十分な効果が期待できます
この方はお若い頃、世界中の山を登っていた登山家です。1年のうち数か月は現地の海外で生活し、山登り中心の生活をしていました。登山家ですので足腰には自信があったのですが数年前から膝の痛みが出現し歩けなくなってしまいました。
整形外科を受診したところ「手術しかない」と言われましたが、本人はそれを拒否。ヒアルロン酸注射治療を続け、一向に改善せず当院を受診されました。
膝の変形は酷く(ステージ4【骨痛期】レベル)、膝を曲げる度にゴリゴリと音を立てます。
本人はもちろん、医者もこれは骨同士がぶつかって鳴る音だと考えていましたが、実際は違います。その証拠に私が治療したところ、曲げる度になっていたゴリゴリという音がしなくなったのです。
現在、この方は日常生活では膝痛を感じなくなるまでに回復し、先日は福島県まで有名な桜を見に念願のバス旅行へ行くことが出来ました。本人は「手術しなくて本当に良かった」と仰っています。
まだ正座を取れるまでには至っていませんので、引き続き月2回のペースで治療継続予定です。
この方は25年前から膝が痛み出し、現在は階段下りでの膝痛が主訴です。
病院では軟骨が擦り減っていると説明され、ヒアルロン酸注射治療を受け続けていましたが症状は悪化。
お医者さんは「加齢によるものだから仕方がない」とおっしゃっていたそうです。
痛みを訴えている部位(お皿の周囲)を触診すると米粒大の筋硬結を触知できます。まさにこの場所へ何度も注射を打っていたそうです。
現在、この方の膝痛は完治し、趣味のサッカーに復帰されました。
膝痛・腰痛・肩こり・関節痛でお悩みの方は、
千葉市おゆみ野のいとひや整骨院にご相談ください。
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