この状態で手をグーパー、グーパーと動かしてみて下さい。腕の痺れは増しますか?もし増すようならば、それは胸郭出口症候群の症状かもしれません。
※胸郭出口症候群の詳しい説明は文章の最後にリンクを貼っておきます。
一般の方には聞きなれない名前かもしれませんが、我々、理学療法士の世界では知らない人がいないほどメジャーな疾患がこの胸郭出口症候群。
腕に行く神経(腕神経叢)が様々な原因で圧迫され痺れが出るのが特徴です。
神経が圧迫される原因はいくつかあり、その中でも治せるものと治せないものがはっきりと分かれています。
治せる胸郭出口症候群は小胸筋や斜角筋といった筋肉が神経を圧迫しているケースです。
肩こりを訴える患者様のほとんどが斜角筋や小胸筋が固まっており、これが原因で腕が痺れているのです。
ちなみに先ほど行った検査は胸郭出口症候群の症状を誘発する検査です。
当院ではiSing【アイジング】という特殊な深部筋膜リリース法を使ってこれら硬くなった小胸筋や斜角筋を緩める治療を行いますが、多くの場合、その場で腕の重ダルさや痺れが改善します。
■MRIなどの検査をした方が良いケースは?
胸郭出口症候群では腕を上げた姿勢で痺れが増しましたが、頚椎症・頚椎ヘルニアの場合は逆に腕をあげた姿勢(頭部に手を置いた姿勢)のほうが痺れは楽になるケースが多いようです(専門用語でBakody’s Signと言います)。
真の頚椎症・頚椎ヘルニアによる神経症状ならばこれはお医者様にしっかり相談し、MRIなどの検査も受け、必要ならば手術を考えなければなりません。
特に痺れだけでなく、握力等に問題が生じている場合はさらに深刻と言えます。
しかし私が危惧するのは、本当はただの胸郭出口症候群なのに『頚椎症』や『頚椎ヘルニア』と診断が下されるケースが多いことなのです。
■まとめ