【更新履歴】2019年6月2日:最新の臨床を基に情報を更新しました。
『膝に水が溜まっては、整形外科で水を抜く』というのを繰り返している方。
それは決して良い事ではありません。
膝関節に注射を打つと、その度に注射針によって関節組織が傷つきます。
それが原因で膝痛が更に悪化するケースがあるのです。
もしも膝がパンパンに腫れて、関節を曲げられないほどなら抜くことも仕方ないですが、痛くても普通に歩けているくらいなら、腫れが自然に引くのを待つべきです。
膝痛を根治させるには、水を抜くことよりもっと大切なことがあるんです。
それは‶膝に水が溜まる原因を変えること”です。
なぜ膝に水が溜まるのか?水ってなに??
膝関節に繰り返し無理な負荷が生じると、軟骨は擦り減っていきます。その擦り減った軟骨の削りカス(軟骨片)が関節内に炎症を引き起こします。
身体はこの炎症を抑え、治そうと関節液を増やします。
この関節液が増えた状態が『膝に水が溜まっている』ということです。
関節液の中には白血球があり、この削り粉を食べて消炎してくれるのです。
『水が溜まっている』と言われると悪いものが溜まってしまっているようなイメージを持たれている方が多いですが、関節液はいわば炎症を抑える薬のようなものですので、膝に水が溜まること自体は、体が一生懸命治そうとしている生体反応なので決して悪い事ではありません。
なのに水を抜いてしまうってことは、体が作り出した薬をわざわざ取ってしまう事と同じです。
で、病院ではヒアルロン酸を関節内に注射するんですけど、そもそもヒアルロン酸に軟骨を再生する効果は全くないんですよ。
炎症を少しだけ抑えるって薬効しかありません(販売している製薬会社がそう説明しています)
だから水を抜いて、ヒアルロン酸注射しても膝痛改善にあまり意味はないんです(欧米では10年位前からヒアルロン酸注射は積極的に行われていないそうです。なのにどうして日本のお医者さんは打ち続けるんでしょう…?)。
本当に問題なのは膝関節に無理な負担をかけ炎症を引き起こす動作です。
膝に悪い動作をやめなければ炎症は繰り返され、それを治そうと関節に水は溜まり続けます。
悪い歩き方が引き起こす膝関節の炎症
足を着くたびに膝が外に抜ける動き=外側スラスト現象
膝が外に抜ける際、膝内側の軟骨がぶつかり合い、削られて炎症を引き起こします。外側スラストがある場合は、歩き方を変えない限り、繰り返し膝に水が溜まり、膝の変形が進行するのです。
『膝が外に抜ける動き』を実際の動画で確認してみましょう。少し分かりづらいとは思いますが、右膝に注目してみてください。
私もこのスラスト現象が起きているのか?と気になる方は膝に意識を向けて歩いてみたり、鏡の前で普段通りに歩いて確認してみてください。
いとひや整骨院では、初診の膝痛患者様には必ず歩きの動画を撮ってスラスト現象が起きていないか、痛みを出してしまう悪い動きをしていないか?分析をしてから治療に入ります。
スラスト現象を止めるには
①歩行時、かかと⇒土踏まず⇒親指に重心が抜けることを意識する
②お尻の割れ目にボールペンを挟んで落さないイメージで力を入れて歩く(膝の向きがよくなる)
③O脚用のインソールを靴に入れて外側に抜けない工夫をする
このポイントをしっかり意識して歩くようにしましょう。
歩き方が治ると、水は抜かなくても溜まりにくくなりますし、スポーツしてる方は少し運動量を控えれば自然と水は体に吸収されます。
『長年の歩きのクセが治らない…』
『どう改善すればいいのか分からない…』
という方はいとひや整骨院で歩きの分析、歩行練習も行えますよ。
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監修:糸日谷哲章(イトヒヤ テッショウ)
理学療法士/柔道整復師/シンインテグレーション認定施術者/保健医療学修士
運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛治療を行う
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