私は、11年前の2013年に千葉県おゆみ野にて慢性疼痛治療に特化した完全自費治療院を開業しました。
現在、年齢は50歳(2024年時点)。理学療法士(兼柔道整復師)で妻と二人の子供がおります。
開業以来、治療院には連日、病院で『手術しか無い』と言われた患者様が、県内はもちろん、県外からも押し寄せています。
私がこのような手技療法(しゅぎりょうほう)の世界に最初に入ったのが、大学卒業してすぐの2000年。シン・インテグレーションという身体統合技法を学んだのが始まりでした。
この技法の創始者であるマーク・カフェル博士は、アメリカ政府公認「ストラクチュアル・インテグレーション・アンド・オルタナティブ・ヘルス財団」のエグゼクティブ・ディレクターを務める人物で、過去にダライ・ラマ3世に施術したこともある優秀なボディセラピスト。
彼は当時、すでに90歳を越えていましたが、この技法を世に広めるべく精力的に活動していました。
そんなマーク博士の教えを請うため、私は大学卒業と同時に、長野県南小谷村に移り住み、1年間のセラピスト養成コースに参加。
そこは、標高約2000メートルに位置する南アルプス山麓の雪深い過疎村で、冬には雪が3~5メートルも降り積もる環境でしたが、6名のコース参加者と共に、この過酷な環境下で共同生活を送り、ボディセラピストとしての基礎を学びました。
ここでの生活はまるで修行僧のようで、毎朝5時前に起床し、月明かりの中で雪かきをし、それが終わると休む間もなく寒い部屋で座禅を小1時間ほど組み、その後、すぐに授業が始まるといった感じで、大学生活で自堕落な生活を謳歌していた私にとって大変キツいものでした。
また会話は全て英語だったので、授業についていくのにも苦労しましたが、午前は解剖学、午後は夜遅くまで実技をみっちり学び、何とかシン・インテグレーションの認定施術者の資格を取得したのでした。
その後、2005年には理学療法士の国家資格を取得し、総合病院、整形外科クリニックに勤務し患者さんの治療をしながら、同時に国際医療福祉大学大学院にも通い保健医療学修士号を取得、2012年には柔道整復師の免許も取得しました。
この頃の生活は、朝から夕方までリハビリの仕事をして、それが終わると、直ちに学校に向かい、夜遅くまで勉強するという二重生活で、夕飯もろくに食べる時間はありませんでしたが、いつか必ず独立開業し、理想の治療を実現してみせるという信念で乗り切りました。
私はこんな感じで今まで治療一辺倒の生活を送ってきたわけですが、ある時、疼痛治療の真実に気づくきっかけとなる出来事があり、現在に至ります。
その出来事が何なのかについては、後ほど詳しく述べますが、私はこれまで20数年間、来る日も来る日も臨床現場に身を置き『痛みが取れるのか・取れないのか』という真剣勝負をし続けてきたわけです。
というか、それしかしてこなかったとも言えるような人生を送ってきた私が、今まで多くの患者様を治療する中で見てきた現実というのは、現代医学の観点から考えるとあり得ない事ばかり…。
というのも、通常、現代の医学的常識では、痛みの原因は、骨を代表とする身体組織の破損であり、もしもレントゲン・MRI画像に異常(骨の変形や骨折など)が確認できたならば、もうそれは外科的手術をして、疼痛を引き起こしている原因部位を削ったり、切り取ったり、くっつけたりして“修理”しなければ、痛みは取れないはずなのですが、現実はなぜか手術せずとも手で行う手技療法で痛みが取れてしまうケースが驚くほど多いのです。