県内の大きなリハビリテーションセンターで1年リハビリをしましたが、右半身に麻痺が残り、右手をパーに開くことは全く出来ませんでした。
私が彼と出会ったのは、病気を発症して1年半が経った春頃。
彼も彼の家族も「右手が使えるようになりたい」という強い希望があったのですが、
医学的常識では発症後1年半が経っているし、手の麻痺は回復が足より俄然難しいものなので、最初、彼にどこまでプラスが出せるのか分かりませんでした。
ですから、「先の事は分からないけど、今できるベストを尽くし、少しでも良いからコツコツ前に進もう」という趣旨の話をしてリハビリを開始(2週間に1回のペース)。
リハビリ治療で心がけた事は
1.ほんの少し頑張れば達成できる課題を選ぶ
2.飽きがこないように毎回、違う課題を行う
3.リハビリの宿題を毎回出し、その内容はゲーム性のあるものにする
4.長くリハビリが続けられる様な精神状態でいてもらえるよう、過剰に期待ややる気を煽らない
5.本人が気持ち的に回復を諦めそうでも、PT(治療者)は「きっと何とかなる」という態度で淡々とリハビリ訓練をする
6.いつも明るく接し、「リハビリに来るのは楽しい」と思ってもらう
7.彼と良い距離感(友達以上、先生未満)を保つ
8.治療法はなりふり構わず、考えられる事は何だってやる
こんな感じでした。