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私の腰痛日記5
2024.09.06
目次
■お医者さんはなぜ様子を見たがるのか?
私が言われた「骨に異常はないから様子を見ましょう」というセリフ。
あなたも言われたことありませんか?
実際に医療現場では“様子見患者さん”がかなりの数います。
何か根本的な治療を期待し、痛い身体を引きずって病院を受診しても「骨に異常はないから様子を見ましょう」と言われちゃうと何だか切ないですよね…。
痛みに苦しんでいた当時の私も医者から『様子見』と言われてしまい、まるで少し突き放されたような、治療を放棄されたような気分になりました。
もちろん骨に異常がないって確認できたことは良かったし、それだけでもわざわざ受診した甲斐はあったのですが、じゃあ骨に異常がないならば、何が原因でこんなに痛いのか、どうすれば治るのかっていう一番肝心なところにまでは、どのお医者さんも踏み込んでくれません。
「痛みの原因は骨以外にもたくさん考えられるのに、そこには何もアプローチしないの?」
「骨に異常が無いならば、様子をみていれば自然に治るんですか?」ってお医者さんにその場で聞きたかったけど、そんな勇気、当時の私にはありませんでした。
■医師と患者の間には治療に対するスタンスのズレがある
患者さんが医者にかかる理由はたった一つ。
ずばり『症状が悪化する前に“手術せず”きちんと治したいから』ですよね。
でも、お医者さんが患者さんに出来ることで一番メインになる手段は『手術』です。
当然、医師は手術が必要な患者さんを積極的に探すでしょう。
医者は手術が必要な患者さんを探している一方で、患者さんは手術しないで治る方法を探している。それが医者と患者の間に存在するスタンスの違いではないでしょうか。
■様子見しなければならないもう一つの背景
トリアージという言葉をご存知でしょうか?
災害現場では同時に多数の患者さんが出るため、すぐに治療が必要な患者なのか、後回しにできる患者なのかをその場で即座に判断しなければなりません。そのため、重症度別に色分けされたカードを患者の身につけ、赤いカードの患者から治療を優先して行うことで、より多くの命を救っていきます。
これがトリアージという方法です。
災害現場に限らず、どの医療機関であっても医師が患者さんを診察する際にはきっと“トリアージ的な観点”を持っているのでないかと私は思っています。
一日に何人もの患者さんを限られた時間の中で診察しなければならない医師にとって、患者さんの症状が手術を必要とするほど重篤かつ緊急性を要する状態なのかを判定し、患者選別をする必要性は当然あると思うのです。
重症患者を見つけ出し、適切・十分な時間を割く一方で、手術の必要がない軽症の患者さんは取り敢えずは様子をみる。
これはある意味仕方のないことです。
でもここで悩ましいのが『手術するほど緊急性はないが、放置できるほど症状が軽くないケース(黄色カードの患者さん)』。
当時の私がそうでした。
レントゲンやMRIには異常が写らないため、手術という選択肢はありえません。かといって積極的な治療法があるわけでもない。
手術するほどでない以上、どんなに痛みが強くても医師は様子を見るしかないのかもしれませんが、当時の私は納得できません。
「大した治療もせず様子を見るってことは、お医者さんじゃ自分の腰痛は治せないってことなのか?それとも、様子を見ることで時間をかせぎ、骨に異常が出る程、症状が悪化するのを待って、手術ができるようになったその時に晴れて治療しましょうってことなのか!?」
今思えば少し悲観的で極端な解釈だったかもしれませんが、その反面、否定しきれない真実をついているとも思います。
■『様子を見ましょう』と言われたが症状が改善しないあなたへ
もしもこの記事を読むあなたが、今まさに「様子を見ましょう」と医者から言われているならば、その意味を立ち止まって考えてみることに意味はあると思います。
ほっといても自然に治る程、軽症だから言われた様子見なのか…。
それとも『現時点ではあなたの痛みに対する有効な手立てはありません。医師の私にしかできない『手術』ができる段階にまで悪化した時にまた来てください』という意味の様子見なのか…。
あなたはどちらなのでしょう??
そしてもし後者の意味ならば、私がそうであったように自分の痛みは自分で責任を持って治すしかないのかもしれません。⇒私の腰痛日記6へ
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